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湿気 塩素の香り 緑色の水滴が、 彼女の肌を伝ってゆく 背中 腰のくびれをなぞり 広背筋を透視する 触診解剖学のための水着を彼女は求めていた 背骨 浮かび上がった脊椎 骨盤に手を添えて 泳げ、泳げ、魚のような優美さとは無縁に 昨日雨だった、と 彼女は呟いただろう 夏の始まりが彼女の長い髪を手繰り寄せていた 後ろ姿に何を幻視した? 湿気を運ぶ 細かい粒々が 一つの玉を結んで 肌に集っては流れ落ちる
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