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両手いっぱいの花束を 困ったように笑いながら抱えている 少し受け取ってくださいな そう云いながら配り歩いている ある人は一掴み ある人は一輪 ある人は断って ある人は眺めるだけで満足する 花束はゆっくり無くなる その人が僕の前に立った時 花束はずいぶん小さくなっていた ウエディングブーケほどの大きさ 貴方、もらってくれますか? 僕は答える 飾る場所がないもので…… そうですか 微笑みとともにその人は去る 最後の一輪が人の手に渡る その瞬間を夢想しながら、後ろ姿を見送った
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