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幽霊話


「僕のこと、わかりますか。みえますか」
「わかります、みえます」
「ああよかった」
「一体何のご用でしょうか」
「じつは××駅に忘れ物をしてしまったんです。僕の代わりにとってきていただけないでしょうか」
「それはあなたの大切なものなんですね」
「はい、おそらく」
「忘れ物を届ければあなたは成仏しますか」
「正直に申し上げると分かりません。僕自身もう僕が誰なのか分からなくなってきていますから」
「それでも××駅に忘れ物をしたということは覚えていると」
「はい」
「わかりました。少し遠い駅ですから今すぐにというわけにはいきませんが、時間が取れ次第向かいましょう」
「ありがとうございます」
「そしてあなたの忘れ物と言うのは何ですか」
「手帳です。A5サイズのスケジュール帳……」



「みつかりましたよ。駅長室に保管してありました。これであってますか?」
「はいそうです、それは僕の手帳です」
「ではこれをどうしましょう。中を見ることを許していただければ遺族のかたにお届けすることも可能かもしれませんが」
「いえ、そこまでしていただかなくても結構です。どうか燃やしてしまってください」
「お焚き上げと言うやつですね」
「まぁたんに中を見られたくないというだけなのですが」
「了解しました。しっかり燃やしてしまいましょう」
「本当にありがとうございます」


 ただの幽霊話



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