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見える見える君が
手の中からこぼれおちる針の山
いったい誰に飲まそうとした
いったい何を失った
口から吐き出す絵の具の滲み
水彩溶けて 目に入る
痛い痛いと泣くのはだぁれ
肌を刺す肌を刺す赤い色
ガラスの中で揺れる嘘
ホログラムめいた現実、虚構の方に寄る症状
にじり寄って笑う君
遺言代わりの耳打ち
笑って笑って君が
また泣き崩れるのが見える見える
そんなことないよ、目元が滲む
そんなことないよ、違うんだよ
針の山は足元に、肺に胃に心臓に大脳に
刺し貫いて君をとどめる
そんなことはないんだよ 笑う笑う
深い深い日常に溺れそうだ
消える消える君が
足の先から光っている
針の川
いったい誰にのみ込まれた
いったい何で なくなった
流れ沈む浮かぶ消える
生まれ出ては死んでゆく
嫌だ嫌だとわめくのなんで
舌を刺す舌を刺す緑色
時計の裏で振れる夢
キュビズムめいた生活、幻想の方に似る少女
遠ざかっては手を振る君
挨拶代わりの舌打ち
笑って笑って君が
また鏡を壊すのが見える見える
それはちがうんだよ、虚像が歪む
ちがうんだちがうんだ、溶けていく
針の川は足元で、血液にリンパに髄液に精液に
流れをとどめて刺していく
ちがうんだよ 笑う笑う笑う
明るい未来に倒れそうだ
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