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誰もいない 誰も誰もいない
宇宙の果ての孤独だ
そんな夢を見た
くぐもった音がする
ささやき声 泡立つ音
ささめく音 声なき声
身じろぎの気配 ヒゲを動かす
海老がよじ登って見渡す、海の底
浮きつ 沈みつ 少女が一人
音がしない
けれど、たくさんのものが動いている
生物の蠢き 水の流れ 光の淀み
海藻の揺らぎ 鰭が起こす波紋 何処からともなく気泡が現れ昇ってゆく
血の巡り
音は どこかへ行ってしまった
行ってしまった
生温く冷たい
暖かく涼しい
凍えた指先は酷く熱い
開かない瞼の裏は明るい闇に満たされている
あるいは暗い暗いトモシビに
誰もいない 誰も誰もいない
心あるものは 心を通わせるものは
いない いない 誰もいない
深海の底は孤独だ
そんなの夢だ
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