並ぶ活字の隙間に横たわる。
　行間に足跡をつける。
　余白に衣ずれが聞こえる。
　そんなスペースにしか
　あたしに自由はない。

　関節一つ曲げられない。
　首をすくめて待っている。
　空中に鍵盤を弾くように
　指を動かす。

　すると
　さざ波が広がる。
　一つ下がった段落に
　刻まれた数字の裏側に
　読点の連なり
　句点の向こう側

　疑問符があたしに問いかける。
「なんなのだろう、どうしてだろう？」
　答えがこのページに無いならば
　風が舞いあがるのを待とう。