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彼女は名前を呼ぶのを諦めた 名づけることすら無意味だったから それは正しい判断だったと僕は思う 彼女の声が聞けないのは 残念だったけど 彼は名前を呼ぶのを止めた 自分が間違っていると気付いたので それでも何かを言いたかったのだろう 僕の目を覗き込んだ 僕は誰の名も呼ばなかった 僕は誰の名も知らなかった 僕はこの世のすべての名付けを 任された故に放棄した 意味のない音の羅列となった それでもみんな満足した 名前を呼ぶことだけできなくなった お互いの目を覗きあって 自分の名前を探していた
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